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@OFF:0x51
@SPK:
@JPN:『
@ENG:

@IDX:12401
@OFF:0x67
@SPK:
@JPN:酒
@ENG:

@IDX:12402
@OFF:0x7d
@SPK:
@JPN:と
@ENG:

@IDX:12403
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@SPK:
@JPN:煙
@ENG:

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@JPN:草
@ENG:

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@SPK:
@JPN:と
@ENG:

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@JPN:死
@ENG:

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@SPK:
@JPN:体
@ENG:

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@JPN:洗
@ENG:

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@SPK:
@JPN:い
@ENG:

@IDX:12410
@OFF:0x12d
@SPK:
@JPN:』
@ENG:

@IDX:12411
@OFF:0x18b
@SPK:
@JPN:『酒屋煙草とシ体洗い』
@ENG:

@IDX:12412
@OFF:0x1d9
@SPK:
@JPN:『酒とと草と死ャ体洗い』
@ENG:

@IDX:12413
@OFF:0x229
@SPK:
@JPN:『酒と煙ワ草と死体洗い』
@ENG:

@IDX:12414
@OFF:0x279
@SPK:
@JPN:『酒とと煙イとャ死体死い』
@ENG:

@IDX:12415
@OFF:0x2cb
@SPK:
@JPN:『酒屋と煙草シとツ体洗体』
@ENG:

@IDX:12416
@OFF:0x31d
@SPK:
@JPN:『酒ととワ草シと死体死体い』
@ENG:

@IDX:12417
@OFF:0x371
@SPK:
@JPN:『酒屋と煙草とャ死体洗体洗』
@ENG:

@IDX:12418
@OFF:0x3c5
@SPK:
@JPN:『酒と煙ワ草シと死と体体洗い』
@ENG:

@IDX:12419
@OFF:0x41b
@SPK:
@JPN:『部屋とワイシャツと死体洗い』
@ENG:

@IDX:12420
@OFF:0x4db
@SPK:
@JPN:　冷たいコンクリートの壁に囲まれた更衣室。
@ENG:

@IDX:12421
@OFF:0x513
@SPK:
@JPN:　まるで独房にも似た空気を持つこの部屋で、何度俺　はこの服に袖を通したのだろう。
@ENG:

@IDX:12422
@OFF:0x571
@SPK:
@JPN:　全てのものを拒絶するかのような白さを持つゴムの　ツナギ。
@ENG:

@IDX:12423
@OFF:0x5b9
@SPK:
@JPN:　鼻を衝く薬品臭から俺の鼻を守るマスク。
@ENG:

@IDX:12424
@OFF:0x5ef
@SPK:
@JPN:　外界との接触を拒むかのようなゴムの手袋。
@ENG:

@IDX:12425
@OFF:0x627
@SPK:
@JPN:　そしてその上に羽織る黒いコート。
@ENG:

@IDX:12426
@OFF:0x669
@SPK:
@JPN:　なぜ作業着の上に黒いコートを羽織るのかって？
@ENG:

@IDX:12427
@OFF:0x6a5
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12428
@OFF:0x6c3
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12430
@OFF:0x785
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　軽いノックの音が、冷えた空気を通して俺の鼓膜を　震わせる。
@ENG:

@IDX:12433
@OFF:0x80b
@SPK:[\protag]
@JPN:　どうぞ。
@ENG:

@IDX:12435
@OFF:0x85a
@SPK:［女の声］
@JPN:　失礼します。
@ENG:

@IDX:12436
@OFF:0x90c
@SPK:
@JPN:　扉を開けて入ってきたのは、俺の担当……御堂悠紀　という名の女性だ。
@ENG:

@IDX:12437
@OFF:0x95e
@SPK:
@JPN:　いつものように冷静な事務口調で、俺に死体の様子　を伝える。
@ENG:

@IDX:12438
@OFF:0x9a8
@SPK:
@JPN:　女性が１体。傷はない。
@ENG:

@IDX:12440
@OFF:0xa10
@SPK:　ただそれだけを伝えて、彼女は俺の前から姿を消し
@JPN:　…
@ENG:

@IDX:12441
@OFF:0xa20
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:12442
@OFF:0xa34
@SPK:
@JPN:消さなかった。
@ENG:

@IDX:12444
@OFF:0xa99
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あの、何度も言うようですけど、作業着の上に黒いコートを着るのはやめてください。
@ENG:

@IDX:12447
@OFF:0xb1f
@SPK:[\protag]
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:12448
@OFF:0xb5f
@SPK:
@JPN:　俺は無言でコートを脱ぐ。
@ENG:

@IDX:12449
@OFF:0xb87
@SPK:
@JPN:　女の頼みを断るわけにはいかない。
@ENG:

@IDX:12450
@OFF:0xbc9
@SPK:
@JPN:　なぜ女の頼みを断れないのかって？
@ENG:

@IDX:12451
@OFF:0xbf9
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12452
@OFF:0xc17
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12454
@OFF:0xd07
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　俺がコートを脱ぐのを見届けると、彼女は無言で姿　を消した。
@ENG:

@IDX:12455
@OFF:0xd51
@SPK:
@JPN:　それを確認してから、再びコートに袖を通す。
@ENG:

@IDX:12456
@OFF:0xd9d
@SPK:
@JPN:　なぜ再びコートを着るのかって？
@ENG:

@IDX:12457
@OFF:0xdcb
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12458
@OFF:0xde9
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12460
@OFF:0xe9d
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　俺の前では彼女は一片の感情も見せない。
@ENG:

@IDX:12461
@OFF:0xed3
@SPK:
@JPN:　それが俺に対する警戒心からなのか、それとも彼女　本来の性格なのか。それはまだ掴めていない。
@ENG:

@IDX:12462
@OFF:0xf4f
@SPK:
@JPN:　もし彼女と俺の間に、何か運命（さだめ）のような　ものがあるならば、いつかは分かる時がくるかもし　れない。
@ENG:

@IDX:12463
@OFF:0xfd9
@SPK:
@JPN:　なぜ分かる時が来るのかって？
@ENG:

@IDX:12464
@OFF:0x1005
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12465
@OFF:0x1023
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12467
@OFF:0x10d7
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　だがそれは今ではない。
@ENG:

@IDX:12468
@OFF:0x10fd
@SPK:
@JPN:　今の俺にとっての運命の相手はあの部屋にいる。
@ENG:

@IDX:12469
@OFF:0x1139
@SPK:
@JPN:　あの、冷たく薄暗い部屋に……。
@ENG:

@IDX:12470
@OFF:0x1177
@SPK:
@JPN:　冷たい金属のノブを握りしめる。
@ENG:

@IDX:12471
@OFF:0x11a5
@SPK:
@JPN:　厚いゴムを通して固い感触が返ってくる。
@ENG:

@IDX:12472
@OFF:0x11db
@SPK:
@JPN:　そのもどかしい塊を回して、扉を開く。
@ENG:

@IDX:12473
@OFF:0x120f
@SPK:
@JPN:　ふっと流れ出す空気。
@ENG:

@IDX:12474
@OFF:0x1233
@SPK:
@JPN:　その風に押されるように部屋の外へ出る。
@ENG:

@IDX:12475
@OFF:0x1328
@SPK:
@JPN:　すえたような死のにおいが漂ってくる。
@ENG:

@IDX:12476
@OFF:0x135c
@SPK:
@JPN:　俺の前には２つの扉がある。
@ENG:

@IDX:12477
@OFF:0x1386
@SPK:
@JPN:　死せる者が横たわる霊安室。
@ENG:

@IDX:12478
@OFF:0x13b0
@SPK:
@JPN:　そして、俺の運命の相手が待っている作業場。
@ENG:

@IDX:12479
@OFF:0x13f6
@SPK:
@JPN:　厚いゴム長靴の虚ろな足音を響かせて、俺は扉へと　近づいていく。
@ENG:

@IDX:12480
@OFF:0x1444
@SPK:
@JPN:　この中で俺の運命の相手が待っている。
@ENG:

@IDX:12481
@OFF:0x1478
@SPK:
@JPN:　たった一度だけの出会い。
@ENG:

@IDX:12482
@OFF:0x14a0
@SPK:
@JPN:　たった一度だけの抱擁。
@ENG:

@IDX:12483
@OFF:0x14c6
@SPK:
@JPN:　たった一度だけの別れ。
@ENG:

@IDX:12484
@OFF:0x14ec
@SPK:
@JPN:　それらを俺と共有するため、冷たい液体の中にひっ　そりと横たわって待っている。
@ENG:

@IDX:12485
@OFF:0x155a
@SPK:
@JPN:　なぜ待っているかって？
@ENG:

@IDX:12486
@OFF:0x1580
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12487
@OFF:0x159e
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12489
@OFF:0x16fd
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　重い音を響かせて、鉄の扉が開いていく。
@ENG:

@IDX:12490
@OFF:0x1733
@SPK:
@JPN:　ホルマリンのにおいと冷えた空気が、自由を求めて　俺の横をすり抜けていく。
@ENG:

@IDX:12491
@OFF:0x178b
@SPK:
@JPN:　馴染み深いにおいが俺の肺に満たされる。
@ENG:

@IDX:12492
@OFF:0x17c1
@SPK:
@JPN:　ここが俺の仕事場。
@ENG:

@IDX:12493
@OFF:0x17e3
@SPK:
@JPN:　ここが俺の戦場。
@ENG:

@IDX:12494
@OFF:0x1815
@SPK:
@JPN:　名も知れぬ幾多の死者が横たわり、洗われ、そして　去っていったこの場所で、今日も一人の死者が俺の　手を待っている。
@ENG:

@IDX:12495
@OFF:0x18a3
@SPK:
@JPN:　硬いゴムのホースを手に取る。
@ENG:

@IDX:12496
@OFF:0x18cf
@SPK:
@JPN:　狙いを定め、蛇口をひねる。
@ENG:

@IDX:12497
@OFF:0x18f9
@SPK:
@JPN:　ホースから迸る水が、床に僅かに残るホルマリンを　押し流していく。
@ENG:

@IDX:12498
@OFF:0x1949
@SPK:
@JPN:　死者を迎えるための儀式。
@ENG:

@IDX:12499
@OFF:0x1971
@SPK:
@JPN:　彼女が横たわる褥の準備。
@ENG:

@IDX:12500
@OFF:0x19ab
@SPK:
@JPN:　愛用の棒を構えて、彼女の眠る水底を見つめる。
@ENG:

@IDX:12501
@OFF:0x19e7
@SPK:
@JPN:　ユラユラと揺れる水面にうっすらと揺れる彼女の影　は、俺の呼び声を待っているようにも見えた。
@ENG:

@IDX:12502
@OFF:0x1a61
@SPK:
@JPN:　そっと棒を差し込むと、ホルマリンの表面に丸い輪　が生まれた。
@ENG:

@IDX:12503
@OFF:0x1aad
@SPK:
@JPN:　ゆっくり広がっていくそれは、水底の彼女が俺へと　送る合図にも思えた。
@ENG:

@IDX:12504
@OFF:0x1b11
@SPK:
@JPN:　棒の先で彼女を探す。
@ENG:

@IDX:12505
@OFF:0x1b35
@SPK:
@JPN:　そのたびに液面は、幾重もの波紋を生み出す。
@ENG:

@IDX:12506
@OFF:0x1b6f
@SPK:
@JPN:　何かの感触が棒から俺の手へと伝わってくる。
@ENG:

@IDX:12507
@OFF:0x1ba9
@SPK:
@JPN:　その場所へゆっくりと棒を戻す。
@ENG:

@IDX:12508
@OFF:0x1bd7
@SPK:
@JPN:　再び感じる柔らかい感触。
@ENG:

@IDX:12509
@OFF:0x1c0f
@SPK:
@JPN:　棒が伝えるその感触は、彼女から俺への伝言。
@ENG:

@IDX:12510
@OFF:0x1c49
@SPK:
@JPN:　優しく呼び覚ますように、水底で眠る彼女の身体を　突く。
@ENG:

@IDX:12511
@OFF:0x1c8f
@SPK:
@JPN:　ゆっくりと瞼を開くように、ユルユルと白い身体が　浮かび上がってくる。
@ENG:

@IDX:12512
@OFF:0x1d61
@SPK:
@JPN:　水の上に浮かび上がった白い肢体。
@ENG:

@IDX:12513
@OFF:0x1d91
@SPK:
@JPN:　眠るように閉じられた瞳。
@ENG:

@IDX:12514
@OFF:0x1db9
@SPK:
@JPN:　流れるような黒髪。
@ENG:

@IDX:12515
@OFF:0x1ddb
@SPK:
@JPN:　美しい曲線を描く双丘。
@ENG:

@IDX:12516
@OFF:0x1e01
@SPK:
@JPN:　柔らかな肉感を伝えてくる身体のライン。
@ENG:

@IDX:12517
@OFF:0x1e49
@SPK:
@JPN:　彼女の身体は死してもなお、女性であるということ　を強烈にアピールし続けていた。
@ENG:

@IDX:12518
@OFF:0x1eb9
@SPK:
@JPN:　なぜ彼女がアッピールするのかって？
@ENG:

@IDX:12519
@OFF:0x1eeb
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12520
@OFF:0x1f09
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12521
@OFF:0x201e
@SPK:
@JPN:　　　　○ンディ坂野だからだ……
@ENG:

@IDX:12523
@OFF:0x2082
@SPK:ゲッツ！
@JPN:　柔らかなその脇に、俺の棒を差し込む。
@ENG:

@IDX:12524
@OFF:0x2158
@SPK:
@JPN:　ゆっくり、ゆっくりと力を込めていく。
@ENG:

@IDX:12525
@OFF:0x218c
@SPK:
@JPN:　彼女の身体は水の中を滑るように動き出し、やがて　俺の立つ岸辺へと辿り着いた。
@ENG:

@IDX:12526
@OFF:0x2256
@SPK:
@JPN:　棒を棚に戻す。
@ENG:

@IDX:12527
@OFF:0x2274
@SPK:
@JPN:　奴の役目はこれで終わりだ。
@ENG:

@IDX:12528
@OFF:0x229e
@SPK:
@JPN:　次の出番まで眠りにつくがいい。
@ENG:

@IDX:12529
@OFF:0x22dc
@SPK:
@JPN:　再び彼女の下へ戻り、ゆっくりと腰を下ろす。
@ENG:

@IDX:12530
@OFF:0x2316
@SPK:
@JPN:　彼女の身体を起こし、背中から抱きしめるように腕　を回す。
@ENG:

@IDX:12531
@OFF:0x235e
@SPK:
@JPN:　一度だけの抱擁。
@ENG:

@IDX:12532
@OFF:0x237e
@SPK:
@JPN:　俺と彼女の一度だけの抱擁。
@ENG:

@IDX:12533
@OFF:0x23b6
@SPK:
@JPN:　俺がこの仕事をしていなければ彼女と出会うことは　なかった。
@ENG:

@IDX:12534
@OFF:0x2400
@SPK:
@JPN:　彼女が献体に同意していなければ俺と出会うことは　なかった。
@ENG:

@IDX:12535
@OFF:0x244a
@SPK:
@JPN:　運命によって結びつけられた出会い。
@ENG:

@IDX:12536
@OFF:0x247c
@SPK:
@JPN:　一度だけの出会い。
@ENG:

@IDX:12537
@OFF:0x24b0
@SPK:
@JPN:　なぜ俺たちは出会ったのか？
@ENG:

@IDX:12538
@OFF:0x24da
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12539
@OFF:0x24f8
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12541
@OFF:0x25aa
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　ゆっくり力を込め、彼女をホルマリンの海から引き　上げる。
@ENG:

@IDX:12542
@OFF:0x25f2
@SPK:
@JPN:　死を迎えた身体は、見た目よりも重い。
@ENG:

@IDX:12543
@OFF:0x2626
@SPK:
@JPN:　それは彼女とて例外ではない。
@ENG:

@IDX:12544
@OFF:0x2664
@SPK:
@JPN:　抱きしめたまま後ずさる。
@ENG:

@IDX:12545
@OFF:0x268c
@SPK:
@JPN:　ゆっくりと部屋の中央へ運び、固い褥に慎重にその　身を横たえる。
@ENG:

@IDX:12546
@OFF:0x275a
@SPK:
@JPN:　力なく横たわるその姿は、死の世界に属していると　いうこと以外は、俺の前で全裸で眠る女たちと何ら　変わるところはなかった。
@ENG:

@IDX:12547
@OFF:0x27f6
@SPK:
@JPN:　デッキブラシを手に取る。
@ENG:

@IDX:12548
@OFF:0x28ba
@SPK:
@JPN:　横たわる彼女にそれを押し当てる。
@ENG:

@IDX:12549
@OFF:0x28ea
@SPK:
@JPN:　ゆっくりと前後させ、彼女の身体からホルマリンを　拭い去る。
@ENG:

@IDX:12550
@OFF:0x2934
@SPK:
@JPN:　柔らかな感触が、デッキブラシを通して俺の手まで　伝わってくる。
@ENG:

@IDX:12551
@OFF:0x2982
@SPK:
@JPN:　これが俺の愛撫。
@ENG:

@IDX:12552
@OFF:0x29a2
@SPK:
@JPN:　死せる者への愛撫。
@ENG:

@IDX:12553
@OFF:0x29c4
@SPK:
@JPN:　優しく、慈しむように何度も何度も擦り続ける。
@ENG:

@IDX:12554
@OFF:0x2a78
@SPK:
@JPN:　彼女への愛撫を中断する。
@ENG:

@IDX:12555
@OFF:0x2aa0
@SPK:
@JPN:　デッキブラシからタワシに持ち替える。
@ENG:

@IDX:12556
@OFF:0x2ad4
@SPK:
@JPN:　ゴムの手袋越しに、硬いとがった感触を感じる。
@ENG:

@IDX:12557
@OFF:0x2b10
@SPK:
@JPN:　これで彼女を擦る。
@ENG:

@IDX:12558
@OFF:0x2b32
@SPK:
@JPN:　微小な罪悪感が俺の心を走り抜ける。
@ENG:

@IDX:12559
@OFF:0x2b74
@SPK:
@JPN:　だがこれは必要な作業。
@ENG:

@IDX:12560
@OFF:0x2b9a
@SPK:
@JPN:　俺と彼女にとって必要な作業。
@ENG:

@IDX:12561
@OFF:0x2bc6
@SPK:
@JPN:　僅かな胸の痛みをこらえ、瞳を閉ざした彼女の顔に　タワシを当てる。
@ENG:

@IDX:12562
@OFF:0x2c92
@SPK:
@JPN:　端正な彼女の顔が歪む。
@ENG:

@IDX:12563
@OFF:0x2cb8
@SPK:
@JPN:　ゆっくりとタワシで擦る。
@ENG:

@IDX:12564
@OFF:0x2ce0
@SPK:
@JPN:　タワシの動きに合わせて、彼女の顔が引き攣れる。　
@ENG:

@IDX:12565
@OFF:0x2d30
@SPK:
@JPN:　彼女の顔の歪みが、俺の心をも歪ませる。
@ENG:

@IDX:12566
@OFF:0x2d66
@SPK:
@JPN:　感情を殺し、冷徹に作業を進める。
@ENG:

@IDX:12567
@OFF:0x2d96
@SPK:
@JPN:　上から下へ、右へ左へ。
@ENG:

@IDX:12568
@OFF:0x2dbc
@SPK:
@JPN:　筋肉の筋に合わせて、優しくマッサージするように　彼女の顔を洗っていく。
@ENG:

@IDX:12569
@OFF:0x2e8c
@SPK:
@JPN:　ホルマリンで張りついた前髪をそっと剥がす。
@ENG:

@IDX:12570
@OFF:0x2ec6
@SPK:
@JPN:　端麗な顔に柔らかな笑みが浮かぶ幻が重なる。
@ENG:

@IDX:12571
@OFF:0x2f12
@SPK:
@JPN:　なぜ彼女は微笑むのか？
@ENG:

@IDX:12572
@OFF:0x2f38
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12573
@OFF:0x2f56
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12575
@OFF:0x3121
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　一度彼女の身体から離れる。
@ENG:

@IDX:12576
@OFF:0x314b
@SPK:
@JPN:　硬くなった俺の身体を伸ばしていく。
@ENG:

@IDX:12577
@OFF:0x317d
@SPK:
@JPN:　腰、肩、背中……。
@ENG:

@IDX:12578
@OFF:0x319f
@SPK:
@JPN:　屈んだままの作業で蓄積した疲労が解放される。
@ENG:

@IDX:12579
@OFF:0x31db
@SPK:
@JPN:　関節が歓喜の声を上げる。
@ENG:

@IDX:12580
@OFF:0x3203
@SPK:
@JPN:　再び作業を始めるまでの小休止。
@ENG:

@IDX:12581
@OFF:0x3231
@SPK:
@JPN:　安息をじっくりと味わい、再び腰を下ろす。
@ENG:

@IDX:12582
@OFF:0x32e3
@SPK:
@JPN:　優しく彼女の手を取り、タワシで傷つけないように　擦る。
@ENG:

@IDX:12583
@OFF:0x3329
@SPK:
@JPN:　ほっそりとした女性の指。
@ENG:

@IDX:12584
@OFF:0x3351
@SPK:
@JPN:　ゴムで覆われた俺の指。
@ENG:

@IDX:12585
@OFF:0x3389
@SPK:
@JPN:　これが俺たちの距離。
@ENG:

@IDX:12586
@OFF:0x33ad
@SPK:
@JPN:　直接触ることはできない。
@ENG:

@IDX:12587
@OFF:0x33d5
@SPK:
@JPN:　その間には、死という名の深く大きな淵が横たわっ　ている。
@ENG:

@IDX:12588
@OFF:0x3499
@SPK:
@JPN:　ゆっくりと彼女の足を開いていく。
@ENG:

@IDX:12589
@OFF:0x353f
@SPK:
@JPN:　その間に身を沈め、細やかな女性の部分にタワシを　奔らせていく。
@ENG:

@IDX:12590
@OFF:0x358d
@SPK:
@JPN:　複雑な襞に包まれた神秘の谷間を、凶暴なタワシが　陵辱する。
@ENG:

@IDX:12591
@OFF:0x35d7
@SPK:
@JPN:　だが決して傷つけてはならない。
@ENG:

@IDX:12592
@OFF:0x3605
@SPK:
@JPN:　それが俺に与えられた使命。
@ENG:

@IDX:12593
@OFF:0x3641
@SPK:
@JPN:　なぜそんな使命が俺に与えられたのか？
@ENG:

@IDX:12594
@OFF:0x3675
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12595
@OFF:0x3693
@SPK:
@JPN:　それは俺が……（皆さんご一緒に）。
@ENG:

@IDX:12597
@OFF:0x3874
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　これで、作業の半分は終わった。
@ENG:

@IDX:12598
@OFF:0x38a2
@SPK:
@JPN:　緑のホースから流れ出る水で、浮き上がった汚れを　押し流す。
@ENG:

@IDX:12599
@OFF:0x38ec
@SPK:
@JPN:　デッキブラシの先も水に晒し、次に備える。
@ENG:

@IDX:12600
@OFF:0x399e
@SPK:
@JPN:　横たわる彼女を裏返す。
@ENG:

@IDX:12601
@OFF:0x39c4
@SPK:
@JPN:　濡れた背中が、照明を照り返して光る。
@ENG:

@IDX:12602
@OFF:0x3a98
@SPK:
@JPN:　俺の手はデッキブラシを握り締め、彼女の白い背中　を擦り始めた。
@ENG:

@IDX:12603
@OFF:0x3ae6
@SPK:
@JPN:　物言わぬ彼女は何の不満の声もあげない。
@ENG:

@IDX:12604
@OFF:0x3b1c
@SPK:
@JPN:　だからこそ俺が気遣ってやらねばならない。
@ENG:

@IDX:12605
@OFF:0x3b64
@SPK:
@JPN:　背中を擦り、脇の下を洗い、尻の谷間を押し広げて　洗う。
@ENG:

@IDX:12606
@OFF:0x3baa
@SPK:
@JPN:　次々に彼女からホルマリンを落としていく。
@ENG:

@IDX:12607
@OFF:0x3be2
@SPK:
@JPN:　彼女を次の姿にするために。
@ENG:

@IDX:12608
@OFF:0x3c0c
@SPK:
@JPN:　死体から教材にするために。
@ENG:

@IDX:12609
@OFF:0x3d0d
@SPK:
@JPN:　終わった。
@ENG:

@IDX:12610
@OFF:0x3d27
@SPK:
@JPN:　俺と彼女の一期一会はこれで終わりだ。
@ENG:

@IDX:12611
@OFF:0x3d5b
@SPK:
@JPN:　上からあいつが降りてきて、俺をこの部屋から押し　出す。
@ENG:

@IDX:12612
@OFF:0x3da1
@SPK:
@JPN:　それで終わりだ。
@ENG:

@IDX:12614
@OFF:0x3ece
@SPK:［鏑木］
@JPN:　オーケーだ。きれいに洗えている。もう行っていいぞ。
@ENG:

@IDX:12615
@OFF:0x3f34
@SPK:
@JPN:　次は彼の出番だ。
@ENG:

@IDX:12616
@OFF:0x3f54
@SPK:
@JPN:　俺から彼女の身柄を受け取り、そして次のステージ　へと連れて行く。
@ENG:

@IDX:12617
@OFF:0x3fa4
@SPK:
@JPN:　ひんやりとした部屋の空気が俺の心を鎮める。
@ENG:

@IDX:12619
@OFF:0x409b
@SPK:［鏑木］
@JPN:　っと待った。別に悪いってわけじゃないんだがな。作業の時はそのコートはやめたほうがいいぞ。裾の辺りがホルマリンで脱色しちまってる。
@ENG:

@IDX:12620
@OFF:0x4153
@SPK:
@JPN:　俺はニヤリとニヒルな笑みを投げかける。
@ENG:

@IDX:12621
@OFF:0x419b
@SPK:
@JPN:　なぜ笑いかけるのかって？
@ENG:

@IDX:12622
@OFF:0x41c3
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12623
@OFF:0x41e1
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12625
@OFF:0x4364
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　再びこの部屋へと戻ってきた俺の下に、再び彼女が　やってくる。
@ENG:

@IDX:12626
@OFF:0x43b0
@SPK:
@JPN:　氷の女神の祝福を受けているかのように、その面を　微動だにさせない女。
@ENG:

@IDX:12629
@OFF:0x4440
@SPK:[\protag]
@JPN:　どうぞ。
@ENG:

@IDX:12631
@OFF:0x448d
@SPK:［悠紀］
@JPN:　失礼します。
@ENG:

@IDX:12632
@OFF:0x4543
@SPK:
@JPN:　朝と同じやり取りが再び繰り返される。
@ENG:

@IDX:12633
@OFF:0x4577
@SPK:
@JPN:　部屋の空気の微かな動きで、彼女が入ってきたこと　を知る。
@ENG:

@IDX:12634
@OFF:0x45bf
@SPK:
@JPN:　うっすらと、彼女の体臭が部屋の空気に混じる。
@ENG:

@IDX:12635
@OFF:0x45fb
@SPK:
@JPN:　決して不快ではない。
@ENG:

@IDX:12636
@OFF:0x461f
@SPK:
@JPN:　柔らかい薔薇のような香り。
@ENG:

@IDX:12637
@OFF:0x4649
@SPK:
@JPN:　人工的でないその香りは、おそらく彼女が先天的に　具えている香りなのだろう。
@ENG:

@IDX:12639
@OFF:0x46ec
@SPK:［悠紀］
@JPN:　これ、お願いします。
@ENG:

@IDX:12640
@OFF:0x4736
@SPK:
@JPN:　言葉少なに、俺に一枚の紙切れを差し出す。
@ENG:

@IDX:12641
@OFF:0x476e
@SPK:
@JPN:　報告書。
@ENG:

@IDX:12642
@OFF:0x4786
@SPK:
@JPN:　俺が作業の後に記さなければならない一枚の書類。　
@ENG:

@IDX:12643
@OFF:0x47d8
@SPK:
@JPN:　さっとサインして、彼女に戻す。
@ENG:

@IDX:12645
@OFF:0x4874
@SPK:　書類に目を通し、何もなかったことを確認すると、　ニコリともせずにご苦労様といって部屋を出て
@JPN:…
@ENG:

@IDX:12646
@OFF:0x4882
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:12647
@OFF:0x4896
@SPK:
@JPN:　行かなかった。
@ENG:

@IDX:12649
@OFF:0x48fd
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あの、結局コート着たまま作業したんですね。
@ENG:

@IDX:12652
@OFF:0x495f
@SPK:[\protag]
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:12653
@OFF:0x499f
@SPK:
@JPN:　俺は黙ってコートを脱いでいく。
@ENG:

@IDX:12654
@OFF:0x49cd
@SPK:
@JPN:　脱いだコートをバッグにしまう。
@ENG:

@IDX:12655
@OFF:0x4a0d
@SPK:
@JPN:　なぜコートをしまうのか？
@ENG:

@IDX:12656
@OFF:0x4a35
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12657
@OFF:0x4a53
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12659
@OFF:0x4b1b
@SPK:　　　　　　コートを家で洗うからだ。
@JPN:　ロッカーから同じデザインのコートを出す。
@ENG:

@IDX:12660
@OFF:0x4b53
@SPK:
@JPN:　ハンガーで壁にかける。
@ENG:

@IDX:12661
@OFF:0x4b8b
@SPK:
@JPN:　なぜコートのデザインが同じなのかって？
@ENG:

@IDX:12662
@OFF:0x4bc1
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12663
@OFF:0x4bdf
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12666
@OFF:0x4cde
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　もういいです。好きな格好で作業してください。
@ENG:

@IDX:12669
@OFF:0x4d42
@SPK:[\protag]
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:12670
@OFF:0x4d80
@SPK:
@JPN:　俺は女に愛想は振りまかない。
@ENG:

@IDX:12671
@OFF:0x4dac
@SPK:
@JPN:　なぜって？
@ENG:

@IDX:12672
@OFF:0x4dc6
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12673
@OFF:0x4de4
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12676
@OFF:0x4ee3
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　作業の格好に注文はつけないですけど、ロビーにホルマリンのにおいをばら撒くのはやめてください。患者さんから苦情が出ているんです。
@ENG:

@IDX:12679
@OFF:0x4f99
@SPK:[\protag]
@JPN:　すまない…………。
@ENG:

@IDX:12680
@OFF:0x4fdf
@SPK:
@JPN:　俺は謝るべき時には謝る。
@ENG:

@IDX:12681
@OFF:0x5007
@SPK:
@JPN:　なぜって？
@ENG:

@IDX:12682
@OFF:0x5021
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12683
@OFF:0x503f
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12686
@OFF:0x513e
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　それじゃあ、私戻りますけど、くれぐれもホルマリンのにおいには気をつけてくださいね。それじゃあ。
@ENG:

@IDX:12687
@OFF:0x51ee
@SPK:
@JPN:　相変わらず口うるさい女だ。
@ENG:

@IDX:12688
@OFF:0x5218
@SPK:
@JPN:　そんな女でもいつか俺に微笑みかけることがあるの　だろうか？
@ENG:

@IDX:12689
@OFF:0x5274
@SPK:
@JPN:　なぜ微笑みかけて欲しいかって？
@ENG:

@IDX:12690
@OFF:0x52a2
@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12691
@OFF:0x52c0
@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12693
@OFF:0x541e
@SPK:　　　　　あの女のことが好きだからだ……。
@JPN:　ザーッという音とともに、熱いお湯が俺の身体の上　を流れ落ちていく。
@ENG:

@IDX:12694
@OFF:0x5470
@SPK:
@JPN:　仕事の後のシャワー。
@ENG:

@IDX:12695
@OFF:0x5494
@SPK:
@JPN:　凝り固まった筋肉をほぐし、俺の中に沈殿している　疲労を押し流してくれる。
@ENG:

@IDX:12696
@OFF:0x54ec
@SPK:
@JPN:　髪を指で梳いて、湯に晒す。
@ENG:

@IDX:12697
@OFF:0x5516
@SPK:
@JPN:　頭の中まで熱が浸透して、俺の中に入り込んだ死の　空気を押し出してくれるように感じる。
@ENG:

@IDX:12698
@OFF:0x562f
@SPK:
@JPN:　バスタオルで、身体を拭う。
@ENG:

@IDX:12699
@OFF:0x5659
@SPK:
@JPN:　ひんやりとした空気が火照った身体に心地よい。
@ENG:

@IDX:12700
@OFF:0x5695
@SPK:
@JPN:　冷たい壁に寄りかかり、○ボーロを咥える。
@ENG:

@IDX:12701
@OFF:0x56cd
@SPK:
@JPN:　路地裏のキャバレーのマッチで火をつけ、深く吸い　込む。
@ENG:

@IDX:12702
@OFF:0x5713
@SPK:
@JPN:　肺を満たす紫煙。
@ENG:

@IDX:12703
@OFF:0x5733
@SPK:
@JPN:　命を削る、命の活力。
@ENG:

@IDX:12704
@OFF:0x5767
@SPK:
@JPN:　カランと音を立てて、グラスの氷塊が回る。
@ENG:

@IDX:12705
@OFF:0x579f
@SPK:
@JPN:　琥珀色の液体で、喉を潤す。
@ENG:

@IDX:12706
@OFF:0x57c9
@SPK:
@JPN:　生きていることの喜びを感じる。
@ENG:

@IDX:12707
@OFF:0x57f7
@SPK:
@JPN:　酒と煙草……人生の伴侶。
@ENG:

@IDX:12708
@OFF:0x582f
@SPK:
@JPN:　部屋に広がる紫煙が、俺の意識を白くする。
@ENG:

@IDX:12709
@OFF:0x5867
@SPK:
@JPN:　今日も仕事が終わった。
@ENG:

@IDX:12710
@OFF:0x588d
@SPK:
@JPN:　俺の仕事。
@ENG:

@IDX:12711
@OFF:0x58ad
@SPK:
@JPN:　『
@ENG:

@IDX:12712
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@SPK:
@JPN:ハ
@ENG:

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@SPK:
@JPN:ー
@ENG:

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@SPK:
@JPN:ド
@ENG:

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@SPK:
@JPN:ボ
@ENG:

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@JPN:イ
@ENG:

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@JPN:ル
@ENG:

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@JPN:ド
@ENG:

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@JPN:死
@ENG:

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@OFF:0x592d
@SPK:
@JPN:体
@ENG:

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@SPK:
@JPN:洗
@ENG:

@IDX:12722
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@SPK:
@JPN:い
@ENG:

@IDX:12723
@OFF:0x5957
@SPK:
@JPN:』
@ENG:

@IDX:12724
@OFF:0x596b
@SPK:
@JPN:が……。
@ENG:

@IDX:12725
@OFF:0x59c8
@SPK:
@JPN:　ごめん。やりすぎたかもしれない。
@ENG:

@IDX:12726
@OFF:0x5a0a
@SPK:
@JPN:　なぜやりすぎたかって？
@ENG:

@IDX:12727
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@SPK:
@JPN:　決まっている。
@ENG:

@IDX:12728
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@SPK:
@JPN:　それは俺が……。
@ENG:

@IDX:12731
@OFF:0x5b8d
@SPK:　　　　　　ハードボイルドだからだ。
@JPN:　エンド６－Ｂ　『部屋とワイシャツと死体洗い』
@ENG:

@IDX:12732
@OFF:0x5c6c
@SPK:
@JPN:　………………。
@ENG:

@IDX:12733
@OFF:0x5c9e
@SPK:
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:12734
@OFF:0x5ccc
@SPK:
@JPN:　……。
@ENG:

@IDX:12735
@OFF:0x5d56
@SPK:
@JPN:　朝もやが俺を包んでいる。
@ENG:

@IDX:12736
@OFF:0x5d7e
@SPK:
@JPN:　いや、これは蚊帳か……。
@ENG:

@IDX:12737
@OFF:0x5da6
@SPK:
@JPN:　薄い布が、朝の強い光を弱めてくれる。
@ENG:

@IDX:12738
@OFF:0x5dec
@SPK:
@JPN:　これはこれで悪くないかもしれない。
@ENG:

@IDX:12739
@OFF:0x5e1e
@SPK:
@JPN:　自然の涼しさが俺の頭を冷やしてくれる。
@ENG:

@IDX:12740
@OFF:0x5e66
@SPK:
@JPN:　頭を冷やす？
@ENG:

@IDX:12741
@OFF:0x5e82
@SPK:
@JPN:　なぜだろう。
@ENG:

@IDX:12742
@OFF:0x5e9e
@SPK:
@JPN:　何かやりすぎてしまったような覚えがある。
@ENG:

@IDX:12743
@OFF:0x5ee6
@SPK:
@JPN:　よく分からない悔恨の念を無視して、仕事の準備を　始める。
@ENG:

@IDX:12744
@OFF:0x5f2e
@SPK:
@JPN:　どんな思いが胸の中でくすぶっていようとも、仕事　の時間はやってくる。
@ENG:

@IDX:12745
@OFF:0x5f82
@SPK:
@JPN:　さあ、今日も一日頑張ろう……。
@ENG:

